せとうちMeetup_Vol.2:せとうちソウルフード_開催レポート

せとうちMeetup_Vol.2:せとうちソウルフード_開催レポート


2020年6月20日(土)20時より、「せとうちMeet up Vol.2:せとうちソウルフード」を開催しました。「せとうち」をキーワードに、様々なエリアの方々との新しい繋がりを織り上げていく、「せとうちMeetup」。今回は、参加者の方々にとって心・魂を揺さぶられる「せとうちの食」を話の種に、様々な地域やセクターをオンラインで繋ぐセッションとなりました。

イントロダクション、チェックイン

簡単な趣旨説明の後、自己紹介を兼ねて参加者の方から近況や瀬戸内との関わりをシェア。御自身のルーツ、幼少期や学生時代の思い出、旅先としての瀬戸内の思い出の中にある食に関するエピソードが、自己紹介の段階からあふれ出る状況でした。さすがに、「食」については、皆さん思い入れが深いですね。また、今回も、通信、製造、福祉、医療等、様々な分野の方に御参加いただきました。

心・魂を揺さぶられる食についてのフリートーク

続いて、自然な流れでせとうちの食に関するフリートークに移行。まず、地味ではありますが、出汁や調味料の話題から盛り上がり、熱心な対話が繰り広げられました。

〇出汁・調味料について

・瀬戸内の出汁でパッと思いつくのは、いりこ(煮干し,カタクチイワシ)出汁ですが、牡蠣だし等、瀬戸内の様々な魚介で取る出汁についてや、認知度が高まっている「レモスコ」の話から調味料の話となり、オタフクソースやカープソースが知られているお好み焼きソース、地域の名店では独自のソースを使っているところもあるといった話や、ローカルなソース(福山地域には「びんごソース」というのがあるらしい)やかき醤油の話などなど、自宅にある瀬戸内ゆかりの調味料を持ってきて話をされる方もいて、特に普段から料理をされている女性を中心に話が盛り上がりました。

・関東にお住まいの方から、瀬戸内ブランド認定商品など、公的な認定がされている商品は、一定の品質保証がされていて安心して買うことができるとのことでした。

アサムラサキの「かき醤油」https://www.asamurasaki.co.jp/kaki/

〇魚について

・鮮魚店やスーパーの鮮魚コーナーには,瀬戸内の季節の魚介がそろいます。チヌ(クロダイ)、タチウオ、でべら、シャコ、サヨリ、あさり、牡蠣などなど。

・鞆の浦などでは,今でも露店で魚を売っていることがあります。海が近いので鮮度はよいですね。でべらは叩いて骨を砕いておくと食べやすいし、炙ったサヨリは柔らかくてうまみがありおいしいですね。

・瀬戸内が地元だと当たり前のことですが、他の地域から見ると、こうした食資源の豊富さは魅力的に感じるとのことでした。

尾道のスーパーマーケットにて。

〇果物

・この地域の柑橘は外せません。特に因島のはっさく。はっさく大福やはっさくゼリーといった加工品もおいしいです。

・イチジク(無花果)。備後の海沿いの地域ではよく見ます。宅地の中にもイチジクの畑が点在しています。

〇地域の名店(の後継者問題)

・福山でいえば、関東煮で有名な稲田屋やおでんの村上食堂とか。学生時代に帰り道に寄ったり、よく利用していました。こうした地域の名店でも、店主が高齢化していて店をいつまで開けていられるかという話をよく聞きます。尾道の朱華園は美味しいし有名でしたが、後継者がおらず閉店・・・。大問題ですね。

・普段,阿藻珍味グループの定食屋をよく使っていますが、日替わり定食が値ごろで、美味しい。チーイカはお酒のつまみに最高です。

・広島地域のお好み焼き屋は、たいがいレベルが高い(と思います)。

クロージング:参加者の思いを共有

 最後に、対話の内容について、参加者それぞれの思いや気づきを全体で共有しました。せとうちのソウルフード・食についての対話でしたが、「食」は私たちの生活や思い出とも密接に関わりがあり、一つの話題から次々に関連する分野に話題が展開して話が尽きず、予定時間を30分超過するほどの盛会となりました。

 その中で、「食べ物の話の向こうに、思い出が見える」という名言も生まれ、食資源や食にまつわるエピソードの豊かさは、そこで暮らす人々の生活の豊かさを表していると感じました。一方で、皆さんの思い出とともにある地域の名店の味が,後継者難やコロナ禍により失われるおそれも顕在化していますし、食文化の基盤となる水産資源・農産資源を今後も維持していくことが求められます。「せとうちソウルフード」の基盤が、当たり前のものではないことを実感するセッションとなりました。

私達の暮らしも仕事も、これから大きく変わっていきそうな時代。今後も、瀬戸内の海、まち、山を結んで、瀬戸内から離れた大都市と結んで、

「本当の豊かさとはなんだろう?」「それをつくる暮らし方や仕事とはどんなことだろう?」

を、多様な視点から様々に話し合っていきたいと思います。

次回のMeet up  Vol.3は、7/11(土)の14時よりスタート。「穏やかな海が身近にある暮らし」をテーマに、尾道・しまなみエリアから、この地域の魅力を語り合い、シェアしていきます。

その次のMeet up  Vol.4は、8/1(土)の夜20時よりスタート。「せとうちワークスタイル」をテーマに、Covid−19によって半ば強制的にリモートワークなどの新しい働き方がもたらされていますが、様々な試行錯誤しながら「働く」の本質的な変革が起きようとしているとも考えられます。まだまだ模索が続く「これからの働き方」について、語りつくしていきたいと考えています。気軽な雑談会の場として、あるいは、それぞれの地域やそこでの暮らし、活動を紹介するシェアの場として、ぜひご参加ください。https://setouchimeetup0801.peatix.com/view

また、特別プログラムとして、「せとうちMeet up  夏休み特別編from神石高原町 日本ミツバチ採蜜体験(online)」を、8/9(日)の朝7時30分より開催します。Onlineを通じてのはちみつの採蜜体験。日本ミツバチの生態に合わせて、朝7時30分スタートになります。「里山の自然の営みに触れ、恵みをいただく」をテーマに、日本ミツバチ研究所の所長、東一史さんの案内で、日本ミツバチの採蜜の様子を、事前にお送りするはちみつを味わいながら見学していきたいと思います。はちみつは、東さんが今年採蜜したものを50グラム、体験日に合わせて事前に発送します。はちみつを事前に発送する関係で、申し込みの締め切り(8/3)が早くなっています。締め切りにご注意の上、ぜひ御参加ください。https://setouchimeetup0809honey.peatix.com/view

 よろしくお願いいたします。

ライター:一般社団法人Weave 監事 岡本耕治