せとうちMeetup Vol.3:from 尾道・しまなみ_開催レポート
2020年7月11日(土)14時より、「せとうちMeet up Vol.3 from尾道・しまなみ」を開催しました。「せとうち」をキーワードに、様々なエリアの方々との新しい繋がりを織り上げていく「せとうちMeetup」。今回は、尾道・しまなみエリアからの中継を交え、瀬戸内の中心に位置する尾道・しまなみエリアと様々なエリアをオンラインで繋ぐセッションとなりました。
イントロダクション、ホスト紹介、チェックイン
今回は、尾道のコワーキング的なワークスペースONOMICHI SHAREを出発点に自転車2台(Weaveメンバーの岡本と小森)で尾道市街地から渡船で対岸の向島に繰り出す行程です。
まず、今回のホスト役 岡本から、自己紹介と地域の概要について、簡単にお話ししました。
〇ホスト紹介
・地元の官公庁に就職し、これまで主に医療福祉関連部門に勤務。出身は福山ですが、現在は尾道に在住。
・Weaveとの関わりは前身の任意団体のころから、6~7年くらい。異分野の知見や多様な人材と接点が持てることがよい刺激となり、これまで取組に関わってきました。
・今後、本業、Weaveの取組及び保有資格の士業(事業支援、社会福祉関連)の取組の中で、スキルを磨き、地域に貢献する取組を実施していきたいです。
〇尾道・しまなみ地域の概要
・尾道は、内海航行船の寄港地として中世・近世を通じて繁栄し、寺社仏閣等の文化財も多く、割とメジャーな歴史的な事績にも触れられます。狭い尾道水道、そこを往来する船舶、海沿いの急坂地の街並みや寺社仏閣などといった要素で構成される景色は魅力的です。島嶼部は、近年では、しまなみ海道のサイクリングルートとしての知名度が高まり、週末は多くのサイクリストを見かけます。道路は、ブルーラインが引かれていて、高低差も少なく、橋の上や海沿いの開けた道は、風も通り、景色もよく、自転車で気持ちよく走ることができます。尾道発で、往路は自転車、復路は瀬戸田・因島辺りからの渡船で帰ってくるのが楽で、船上からの景色も楽しめて面白いですね。
〇イントロダクション、参加者のチェックイン
その後、簡単な趣旨説明の後、参加者の方から自己紹介を兼ねて近況のシェア。今回も、様々な地域から多様な分野の方に御参加いただきました。
渡船で尾道市街地から向島へ
参加者の自己紹介と並行して、ホストの岡本と小森の自転車班はONOMICHI SHAREを出発。ONOMICHI SHAREから、海岸沿いの通りを経て、渡船乗り場へ。
タイミングよく渡船が着いていたのでそのまま乗船。サイクリスト、普段使いの軽トラックのほかに、制服を着た学生さんが多かったですね。
出港し、船員のおじいさんにフェリー代の110円を払い、振り返ってみると、千光寺、天寧寺の三重棟などの寺社仏閣や急坂地に広がる尾道の街並みが視界に広がり、東側に目を向けると尾道水道の両岸に漁港や造船所、その奥には、新旧2本の尾道大橋が見えます。そうこうしている間に対岸の向島に到着。5分程度、あっという間の船旅です。
後藤鉱泉所にて
工場や倉庫の雰囲気の店内に入ると真っ先に懐かしいラムネの瓶が目に飛び込んできたので早速購入しました。一口飲むと懐かしい味。他にもミルクセーキやクリームソーダなどがあり、飲みたいが時間がありませんでした。
対応いただいた事務所のおばちゃんが、大変気さくな方で、こちらが聴きたいことをどんどん話してくださいました。Meet upの参加者ともスマホ経由で会話をしていただき、鉱泉所は創業90年になること、今ではラムネが珍しく全国各地から来客があること、ラムネの瓶は数に限りがあり貴重なものですべて再利用していることなどを伺ったほか、時代の変化を取り入れつつも、昔ながら風情を残す尾道、向島の話で大変盛り上がりました。
住田製パン所にて
後藤鉱泉所の気さくなおばちゃんからのお勧めで近隣の住田製パン所へ移動。後藤鉱泉所からは徒歩1分。
住田製パン所も100年の歴史があり、時計が止まったかのような店内です。昔ながらのあんパンやサンドイッチといった品ぞろえです。各種メディアの取材も多いとのことで、すんなり取材OKになりました。
あんパンに使うあんは、小分けもしてもらえます。コロナ禍でパンやお菓子、パスタを作る人が増えましたが、イーストや強力粉も昔から小分けされてます。
懐かしのネジパンもあります。ネジクリとかネジと呼ぶ人もいます。(昔はロバパンの移動販売とかもありましたね。)
こちらでも、早速、ネジパンお買い上げし、腹ごしらえです。
わたの家にて
無農薬、有機栽培をされている伊藤さんの拠点である、わたの家。古民家をほとんどそのまま利用されています。渡船場や大型スーパーがある向島の市街地から自転車で10分程度の場所です。
到着すると、ヤギがカラダをなすりつけにやって来ました。(実はこんなふれあいは初めて!)このヤギはペットではありません。ヤギは雑草を食べてくれます。それだけでなく、排泄物は堆肥として利用されます。
伊藤さんは福山でレストランのオーナーシェフをされていましたが、素材の大切さから、自ら栽培を始められました。今では、飲食はケータリング、イベント出店に限り、農業がメインとなっているそうです。
ONOMICHI SHARE
ホストの自転車での移動中に、中継拠点のONOMICHI SHAREの方に、簡単な施設の紹介をしていただきました。突然のお願いに丁寧に対応していただき、ありがとうございました。過去にもONOMICHI SHAREで開催されるワークショップ等に参加したことがありますが、海の見えるワークスペース、とても居心地がよかったです。
その他フリートーク
参加者の方から、向島の地域密着型のドーナツショップを紹介いただきました。向島地域も対岸の尾道地域同様、若者や移住者等による新たな取組みが多い地域と聞いています。コロナ禍での悪影響はあると思いますが、うまくいってほしいものですね。
クロージング:参加者の思いを共有
最後に、これまでの対話の内容について、参加者それぞれの思いや気づきを全体で共有しました。
・オンラインツールを通じて、参加者と立ち寄り先の方々が楽しそうに会話されるのを見て、PCとスマートフォンで、遠隔地同士をオンラインで繋いだ対面コミュニケーションが成り立つことが、とても興味深い。
・立ち寄り先での、地域の方々との筋書きの無いやり取り。運営側はハラハラしたと思いますが、この地域に暮らしている方々の生の声を伝わり、面白かった。
・飛び込みの訪問にもかかわらず、地域の方々の受け入れが好意的。特に、後藤鉱泉所のおばちゃんの方言全開で飾らないやり取りが、好印象で、現地の雰囲気を強く感じとることができた。
以上のような参加者の思いや気づきを共有しました。
尾道・向島の渡船乗り場周辺といった限られたエリアだけでも様々な見どころがあり、また、現地の方々には急な来訪にもかかわらず快く対応していただき、地域の奥深さや穏やかな雰囲気を実感しました。また、自転車での移動中には、参加者の方から話題提供をいただくなど、いろいろとフォローしていただき、地域の方々、参加者の方々に支えられて成立したMeet upだったと思います。ありがとうございました。
このエリアには他にも、商店街、坂の多い風情のある街並み、寺社仏閣、沿線にカフェや休憩所がある整えられたサイクリングロードなど、魅力的なスポットが多く、それを支える中小の事業者や人々の営みがあります。そうしたものも、今後、取り上げていきたいと考えています。
私達の暮らしも仕事も、これから大きく変わっていきそうな時代。今後も、瀬戸内の海、まち、山を結んで、瀬戸内から離れた大都市と結んで、
「本当の豊かさとはなんだろう?」「それをつくる暮らし方や仕事とはどんなことだろう?」
を、多様な視点から様々に話し合っていきたいと思います。
次回のMeet up Vol.4は、8/1(土)の夜20時よりスタート。「せとうちワークスタイル」をテーマに、Covid−19によって半ば強制的にリモートワークなどの新しい働き方がもたらされていますが、様々な試行錯誤しながら「働く」の本質的な変革が起きようとしているとも考えられます。まだまだ模索が続く「これからの働き方」について、語りつくしていきたいと考えています。気軽な雑談会の場として、あるいは、それぞれの地域やそこでの暮らし、活動を紹介するシェアの場として、ぜひご参加ください。https://setouchimeetup0801.peatix.com/view
また、特別プログラムとして、「せとうちMeet up 夏休み特別編from神石高原町 日本ミツバチ採蜜体験(online)」を、8/9(日)の朝7時30分より開催します。Onlineを通じてのはちみつの採蜜体験。日本ミツバチの生態に合わせて、朝7時30分スタートになります。「里山の自然の営みに触れ、恵みをいただく」をテーマに、日本ミツバチ研究所の所長、東一史さんの案内で、日本ミツバチの採蜜の様子を、事前にお送りするはちみつを味わいながら見学していきたいと思います。はちみつは、東さんが今年採蜜したものを50グラム、体験日に合わせて事前に発送します。はちみつを事前に発送する関係で、申し込みの締め切り(8/3)が早くなっています。締め切りにご注意の上、ぜひ御参加ください。https://setouchimeetup0809honey.peatix.com/view
よろしくお願いいたします。
【あとがき】
今回のMeet upでは、創業90から100年といった老舗の事業者が登場しましたが、現在のような激動の経済状況の中では、適切な事業規模で継続的に必要な利益を生み出していく、「小さいことは決して悪いことではない」ことの見本のように思えました。小規模ではあるが、提供する品物やサービスの価値が高く、継続して安定した利益を稼ぐことができ、事業継続に際して環境負荷が少ない(というか、ない)、というのが理想だと思いますが、それを実現するには、どのような方法が考えられるのか、模索したいと思います。
ライター:一般社団法人Weave 監事 岡本耕治