せとうちMeet up シーズン1 Final:福山とおり町界隈とOru_開催レポート

せとうちMeet up シーズン1 Final:福山とおり町界隈とOru_開催レポート


2020年8月22日(土)。せとうちMeet upのシーズン1最終回となる「 福山・とおり町界隈・Oru」を開催しました。
今回は、福山駅を起点に、とおり町界隈の商店街やWeaveの拠点Oruからの中継を交えてのオンラインセッション。ストリートガーデンを標榜する「とおり町」。旧来のアーケードを取り払い、ワイヤーを使ったデザイン性の高い構造に改修し、街路の緑化を進めるなど、時代とともに歩んできた江戸時代からの商店街です。
こうした変化をどう捉えてこられたかなどを、商店街の方々に伺いながらのまち歩きとなりました。

イントロダクション、チェックイン

 今回は、福山駅前、伏見町のビルの屋上からスタート。簡単な趣旨説明の後、屋上から、直下の福山駅、福山城、とおり町等の商店街を映しながら、その概況を簡単にお話ししました。

〇福山市、とおり町の概要

・福山市について、江戸時代に入り、1619年、水野勝成が備後10万石の領主となり、地名を「福山」と名づけ、干拓や城・城下町の整備を進めた。戦後、日本鋼管(現:日本製鉄)福山製鉄所の操業開始等があり、重工業都市に転換。累次の市町村合併により、市域は拡大。現在の人口は約46万人。備後圏の中枢都市となっている。
・とおり町は、江戸時代からの商業・市場町で、福山城の外堀と瀬戸内海とを結ぶ入川(入江)が流れていた。現在は埋め立てられているが、その名残が道路の形として残る。2014年、アーケード屋根を撤去して、7000本ものワイヤーを吊るし、路面緑化・公園道路としてリニューアルし、現在の形になっている。2017年グッドデザイン金賞、同年土木学会デザイン賞優秀賞を受賞しているとのこと。

〇イントロダクション、参加者のチェックイン

 その後、参加者の方から自己紹介を兼ねて近況のシェア。今回も、教育、農業、IT、医療、内装業、航空運輸、映像・広告制作、大学院、コンサルタント等様々な地域から多様な分野の方に御参加いただきました。故郷が福山、学生時代が福山、といった福山に縁がある方のほか、地方で頑張っている活動や人に興味がある方、ピンポイントで福山に興味があるといった方や、コロナ禍に伴う変化への対応が必要な中、オンラインの街歩きという取り組みに関心を持たれた方など、様々な思いをお持ちの方々に御参加いただきました。

とおり町・木綿橋付近から街歩きスタート。
1軒目:はぶ文泉堂

 続いて、とおり町・木綿橋(往時の入川・堀は埋め立てられ、橋のモニュメントですが・・・)付近から街歩きをスタート。
 1軒目は、「はぶ文泉堂」さんから。本店の建物は昭和27年築というこの地域で長い歴史を持つ文具店の「はぶ文泉堂」。お話を伺った社長さんからは、創業100年を超え、自分で4代目となる老舗を守りながら、地域にも貢献しながら、時代の変化に対応していくため試行錯誤を続けていること等のお話をいただきました。

以下、社長さんのお話の概要です。
・この商店街の変化を昔から見続けてきた。古くは、入川が埋めたてられ2つの商店街が繋がったことやモータリゼーション・車社会になり駐車場が必須になってきたことなど。近年では、アーケードが改修され、デザイン性の高い構造に変更になり、街の外観が大きく変わった。
・普通の文房具だけでは先が見えないので、防災グッズに注力している。ニーズはある。
・2階を、防災グッズのショールームにしている。実際に防災グッズを見せて使い方をやってみせることが重要。(事前取材によると、社長さんは、防災士の資格も取得され、防災用品の組み立て資格も取り、東京等の遠方に行かなくても近場で商品説明ができるようにしているそうです。)
・店主自身が様々な実験をして、商品提案ができるようにしている。今、考えているのはOAフロアの浸水防止。現在のOAフロアは数cm浸水するだけで、床の配線等に被害が出て損害を被る。ゲリラ豪雨等、福山でも道路が冠水する程度の水害は予想される。大量降雨時に半日くらい浸水を防げれば、被害はかなり軽減できる。ちょっとした浸水を防ぐアイデアを商品とセットで提案できればよいと考えている。
・変化を取り入れて必要とされる店舗になっていく必要がある。わざわざ来てもらえる店舗にならないといけない。実店舗の魅力を強調していきたい。文房具にしても防災グッズにしても、品物を見て、知って、体験して買ってもらうことを大事にしている。
・地域も大事にしていくことを考えている。防災品の取り扱いは地域貢献の面もある。地域に貢献できて、それがビジネス的にも成功することが理想。

〇参加者の声

・はぶ文泉堂、懐かしいですね。ここで文房具を買ったことない人いないんじゃないかぐらいの老舗。
・今の時代に合わせて、変化していってるんですね。防災グッズもあるなんて、時代ですね。
・普通に観光で行ってもできない体験ですね。楽しいです。
・ほんとです。私みたいな部外者には逆に入りづらかったり。
・昔、2階で書道教室ありましたよね?通ってました。
・昔は画材や製図用品などでも、ないものはないくらいありました。
・レポート、かなりわかりやすいです。
・相変わらず、こだわりがすごいお店ですね
・地元の誰もが知っている場所に防災グッズを売っているのが、地域防災という観点で素敵ですね。
・こんなにいろいろなものが一か所で見られるなんて、いいですね。行ってみたいです。情報もしっかり集められてるんですね。
・天災が少ないとされていた福山で防災用具。これも時代の変化。
・モノだけでなくナレッジも共有しているんですね。

2軒目:KAI-KOH RECORD STORE(邂逅レコードストア)

 2軒目は、KAI-KOH RECORD STOREさんです。店頭のロゴマークやシンプルなファサード等、外観はアートでちょっとトガった印象です。店に入ると内部は、木目を利用した和やかな雰囲気です。運営スタッフ2名の方がおられ、インタビューに快く対応していただきました。

以下、スタッフさんのお話の概要です。
・昨年11月開業。中古レコードが主力だが、新品の取り扱いもある。ジャンルはオールジャンル。ロック、ジャズ、邦楽、クラブ系等幅広く取り扱っている。年齢設定も広くとっている。レコード好きならどなたが来ても楽しめると思う。店頭に出していない品物もあるので、これが欲しいというものがあれば、相談してほしい。
・客層について、備後圏からのお客さんが多いが、県外からは岡山とか、やまなみ街道を使って山陰から来られるお客さんも多い。
・スタッフの一人が福山の出身でこの地域のことをよく知っていて、近年、アーケードが取り払われ、街路の緑化も進み、雰囲気がよくなった。元々、昔から文化的なお店が多いのがとおり町の特徴。そうしたエリアには、似たようなお店が集まり、それを目当てにお客さんが集まってくる。機が熟したと判断し、とおり町での出店を決めた。
・コロナの関係で、夏祭りができなかったり、イベントができていないなど、予定どおりに行っていないこともあるが、焦らず、少しずつやっていきたい。同級生でお店やってる人もいるので、一緒に盛り上げたい。
・街を見渡すと落ち着いた通りだなと思う。
・1970~80年代ころの福山駅前周辺の人通りはすごかった。昔の、活気もあって、楽しくて、人通りの多かったころの商店街を目指したい。その手助けになりたい。

〇参加者の声

・高校生の時、放送部だったのでこういう光景が懐かしいです。
・店の名前がいいですね。
・自分でカメラアングルが選べるこの形が新鮮です。
・中はレトロなのにファサードがナウいですね!

3軒目:宮本カバン店

 続いて、3軒目は、宮本カバン店さんです。取材を事前に快諾していただいていましたが、本日訪問時は接客対応中でしたので、店の外観を中継しながら、事前取材の際にお話しいただいた内容を要約して説明させていただきました。
・以前は10から20ブランドを扱っていたが、ブランド数が多い分、アイテムの数が限られ、「何もないお店」になっていた。そこで、十年前に吉田カバンのみの取り扱いにし、40年以上取り扱っているランドセルと吉田カバンに絞った店舗としている。吉田カバンだけで300から500点のアイテムの取扱いがある。取り扱いが珍しいカバンを買うために遠方から来店する客も多い。
・ランドセルについては、皮の上質品(ボルサ革、牛革)かオリジナルの企画商品のみを扱っている。価格も高価格帯の商品(30000~70000円くらい)。40年、ランドセルを取り扱っているので、定番の長持ちする欠点のないランドセルを製作・販売することができる。
・当店と吉田カバンとの縁は、店主の祖父が、カバン製作の名職人(天皇陛下のカバンも製作されたとか)で、吉田カバンの創業者、吉田吉蔵から大変慕われていたそうで、その縁で吉田カバンの取り扱いがあり、懇意にさせてもらっていたことによる。
・「そこの店に行かないと買えない」といった店作りをしないと生き残れない。

4軒目:umbrella(アンブレラ)

 4軒目はumbrella(アンブレラ)さんです。インタビューを受けていただいた桒田さんは、umbrellaのほかにも、運営母体のNPOやとおり町の南側にある街中情報室「ぜっぴ」の運営にも関わられています。多忙なことと思いますが、そんなことは感じさせず、快く私たちのインタビューに応じていただきました。
 昔からこの街にいたわけではない桒田さん。福山駅周辺やとおり町について、街の様子がおかしいと感じた時期があったそうです。駅前だけをコンクリートで固めたような感じで活気がない、エリアに空き店舗が多く、商店街はいわゆるシャッター街になっていて、何とも悲しい状態。何とかならないかと思い、とおり町に来て、まずは、とおり町の南側の店舗(街中情報室「ぜっぴ」)の取組を始めたそうです。

以下、桒田さんのお話の概要です。
・umbrella(アンブレラ)は4年半前に開業。その前に、とおり町には街中情報室「ぜっぴ」を開設・運営していました。
・当時、とおり町の南側(ぜっぴ)と北側(umbrella)に1つずつ、活性化の拠点を作ろうという取組があった。特にumbrellaは若い人が集まる場所がほしいということで、大学生等、街づくりに興味がある人が集まっていろいろ考えて。ただ、いろんなアイデアが出るが、現実的な運営にまで至らず。後ろに控えていたが、お声がかかり、umbrellaの方にも関わるようになって今に至っている。
・umbrellaは、カフェとシェアルームを中心にしている。シェアルームは、起業する方はもちろん、起業するにはハードル高いかなといった方がトライアルをしたりといった事業に取り組むためのスペース。起業や事業継続のための相談を受けることもある。表はカフェだが、その裏手はシェアルームという起業・事業トライアルの場となっている。
・シェアルームは現在満室。絵本が魅力の古本屋さん、インポート物の壁紙屋さん、デザイナーやイラストレーターの方、奥には、ベーグルツリーというパン屋があり、人気店となっている。
・この街の変化について、アーケードを取り払い、ワイヤーを使った芸術的な構造を取り入れたことについては、改修後の2年間くらいは、「誰も通っていない」「どこがよいのか分からない」といったマイナスの意見が多かったと思う。改修から6年余りが経過する中で、少しずつ、街の方々のとらえ方も変わってきた。今では、こんな素敵なところはないという意見が多くなった。少しづつ、私たち自身も、この「とおり町」が自慢になってきている。少しづつ、今までとは違う人や若い人が「とおり町」に入ってきて、増えてきている。
・「とおり町」の皆さんは、互いに繋がりたいという思いは持っていて、新たな繋がりも生まれている。ただ、その繋がりがこの街を活気づける実際の動きにまで至らないことも多い。繋がりを活かし、リアルなアクションを育みたい。

〇参加者の声

・アンブレラ、学生時代にイベントでよく使わせていただきました。
・とっても素敵な場所です!素敵な空間ですね!
・こんなところが福山にもあるなんて。今度行ってみたいです。
・二階があるのは知ってましたがこんな風になってるのは知りませんでした。
・オーナーさんの想いが繋がっていて、素晴らしいですね。
・つながって本当のアクションにつながる・・・。企業にも共通の課題ですね

街歩き中の参加者の声

・めちゃくちゃ懐かしいです。
・臨場感ありますね!。
・国輝堂もめちゃ懐かしいです。高校時代、陸上部でしたのでよく買いました。
・中学の時、軟式テニス部で、国輝堂でラケットを買ったことがあります。
・いい商店街ですね、この雰囲気は駅まで続きますか?それともこのエリア限定なのですか?。
→ 残念ながら、この商店街は直接駅とは繋がっていません。
・繋がっていないのですね!駅前もリノベーションが行われていると聞いたので、そこと商店街が繋がっていたら最強だなと思って伺いました^^。
・ 駅周りでリノベーションをやっているのは、伏見町というエリアになります。
・福山駅周辺には、他にもいくつか商店街エリアが近接していて、それぞれに特徴があるようです。
・とおり町周辺には、4つの商店街(本通商店街,本通船町商店街、船町宝船会商店街、きたはま通り商店街)があり、それぞれの商店街の取組の他にも、マルシェや夜店などのイベントを共同で実施しています。
・とおり町の街路樹は、それぞれの店舗が管理している。紅葉樹7割、常緑樹3割で季節を感じられるようにしているそうです。通常は行政が管理する場合が多いですが、その場合、樹種を統一するなどの制約があり、商店街で管理することになりました。店の人が水やりをすることで互いにコミニケーションをとれるようにしたいとの建築家の思いとともに、向こう三軒両隣的な関係は維持できている部分もあり、落ち葉等の清掃は店同士で協力しながらやっているとのことです。地元の方と話し合いながら丁寧に作り上げられたことが窺えます。

クロージング:参加者の思いを共有

 最後に、これまでの対話の内容について、参加者それぞれの思いや気づきを全体で共有しました。
・こういうオンラインの街歩きは初参加でした。コロナが落ち着けば、実際に行ってみたい。オンラインでも質問にはその場で答えてもらえるが、実際に行かないと分からない。
・取組が商店街だけで完結しているのがもったいない。リノベーションに取り組んでいる地域とか周辺の商店街の動きと繋がれば、新しい動きが出てくるし,人も集まる。そういうところに期待しています。
・アンブレラの取組はすばらしい。藻谷さんの本にも福山の取組が取り上げられている。先進的だと思う。
・とおり町はアーケードがあったイメージしかないが、今は、レコード店やシェアルームもできていて,これから発展していくと思う。我々も外部から街に入っていって、活気を出していければよいと思う。
・この形式でのイベントが非常に新鮮で、面白くて実りがありました。画期的に楽しい、しかも遠隔地にいても臨場感が味わえる、ぜひ、今後も参加したいです。
・活気がありますね。「地域」「つながり」「防災」のキーワードが印象に残っています。パワーのある街だと感じました。ありがとうございます。
・自分はこのエリアに全く情報の無い状態で参加していますが、とても魅力的なお店が連なっている様子を意外なくらい理解することができました。なお印刷物やWebサイト、動画などのいわゆるプロモーションツールは世に多々ありますが、こうしたZoomによる表現方法・伝達方法は「行ってみなければわからない」という根源となるべき体験を、気軽に実現してしまう点で画期的だと感じます。
・ぱっと景色を見ただけでは見えてこない、そこに実際に住み人が持つ想いを聞くことが出来て良かったです。こういう想いを繋げることが出来たら、面白いでしょうね。
・ストリートビューで、2014年当時のとおり町の画像を見ることができました。あまりの違いに驚きです。
・アーケードは、お店が抜けると暗くなる。アーケードがない方が、光が入り何もなくても明るいし、雰囲気があります。アンブレラ、福山でこんな面白い取り組みがあったとは。実際に行ってみたいです。
・文房具屋やレコード屋は新鮮。ただ、学生はあの通りまでは入っていかない。学生の認知度が高まればよいですね。伏見町は学生が入り始めているので,そこと繋がれば面白いと思います。
・ここに住みたい。病院も近くにある。文房具屋もある。文化的な店舗もある。ここで仕事をするのはいいと思います。商店街というイメージがなくなってきています。
・商店街の方々も、みんな思っているのだろうけど、繋がっていない。商店街は繋がらないといけないが、商店街の中でライバルになってきている。企業も競争から協業・共創へシフトする流れがある。商店街も協業・共創にシフトするとよいが、旗振り役は叩かれやすい。サードパーティー的なWeaveのような存在が入っていくのがよいかもしれない。外部の人の方が動きやすいかもしれない。
・街の変化を見ていくと、時代時代の変遷があります。郊外型店舗の増加や少子高齢化などといった社会の変化を受けて、商店街に求められるものや街の人々の意識も変わっていきました。アーケードの屋根が無くなり、街路に光が入り、緑も増え、椅子やテーブルが置かれはじめ、店や通りの雰囲気が変化し、そうした変化を受けて、さらに街の人々の意識が変化していく。
・昔のアーケードがかかっていたころの商店街は、人通りが多く混みあい、活気がありました。今の街の様子は、昔と比べ随分と変わっています。確かに人通りは少なくなりましたが、いい意味で、のんびり、ゆったりした時間が流れるエリアになっています。目指すものが、過去の繁栄と同じようなものでなくてもよいですし、あそこに行くとのんびりできるとか、かつての商店街では考えられなかった役割や魅力が生まれているかもしれない。
・ただ、こうした変化は急激に起こったわけではありません。いっぺんに変わると無理が生じます。時間を掛けて、中の人も外の人も巻き込んで、肯定も否定もいろんな意見が交わされ収斂しながら、街はゆっくりゆっくり変わっていくと感じました。

 こうした参加者の方の感想、意見、思いを共有し、meet upを終えました。

変化する街の風景の中、「ゆっくり、こつこつ、時間を掛けて」「繋がりを活かして、リアルなアクションを起こす」。
瀬戸内・福山のとある商店街と様々な地域からご参加いただいた方々と、古くからある街並みの取り組みの背景にあるものを発見できたようなセッションとなりました。

 実は、meet up終了後も、20分近くオンラインでの対話が続き、参加者の皆さんには、とても興味関心を持って参加していただいていたことが窺えました。ありがとうございました。
 瀬戸内の海、まち、山を結んで、瀬戸内から離れた大都市と結んで、多様な視点から、「本当の豊かさ」や「豊かさにつながる暮らし方・仕事」について、話し合ってきた「せとうちmeet up」。
 6回のトライアルシリーズとして実施してきましたが、「せとうち」をキーにするだけで、多くの人に関わっていただけることが分かり、改めて「せとうち」への関心の高さを認識することができました。
 今後も、積極的に地域に出て、地域の方々に御出演いただき、ホストとしてしっかりmeet upの企画・構成にも関わっていただいて、この地域の魅力を明らかにしていきたいです。また、このmeet upの在り方、運営方法も、関わってくださる皆さんと一緒に作っていきたい、そして、地域を魅力的にする実際のアクションに至る、人や地域の繋がりを作っていきたい、と考えています。

あとがき

 今回、取り上げた「とおり町」を構成する地域の事業者さんは、大型量販店では取り扱わないニッチなニーズを取り込もうと、私達の想像以上に様々なことを考えられていて、そうして考え抜かれたアイデアだからこそ、各店舗の取組が面白く魅力的なものに感じました。  
 落ち着いたカフェの裏側がディープな起業支援の場になっていたり(とてもクールでした。)、文房具店の2階が防災用品のショールームになっていたり、シックでクールなデザインの店構えのレコード店の中はレトロで穏やかな雰囲気になっていたり・・・。そして、それぞれの店主さんの自身の事業やこのエリアに対する思いをお聞きして、1時間ちょっと街歩きしただけですが、今まで知らなかった、この「とおり町」の文化的で強烈な魅力と向き合うことができました。
 参加者の方からも「先進的な取組」「パワーがある」との声がありましたが、こうした魅力を活かして、街の活性化や実際のアクションにどのように繋げていくか、「とおり町」の商店同士で、また、「とおり町」と他の街並み、農村、他の都市圏等とどのように協業・共創していくことができるか、模索していきたいと思います。